それぞれが背負ったもの

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 準備が整い仰向けで待っていると、絶妙なタイミングで良子さんが部屋をノックした。  良子さんは私に了承を得ると入室し、寝ている私の頭の上に立った。  良子さんにメイクを落として貰いながら私はずっと気になっていた質問を一つずつ訊ねた。 「良子さんが辞めたあの日、店長と一体どんなやり取りがあったんですか? 」  私が店長から聞いたのは、アゲハさんの不正について良子さんが抗議し、対策の使用がない問題を突きつけられた店長と喧嘩になったと言うのだが…… 「ん? や、そのまんまだよ? 」 あまりにもあっけらかんとした良子さんの答えに肩透かしを喰らう。
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