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良子さんは綺麗に整えた焦茶の眉をひそめながら続けた。
「アゲハさんの店って、うちの近くなのね? そのせいか、うちの店を気にしてるみたいで、やたらお客さんに探り入れてきてるみたいなの。
それだけならまだいいんだけど……
“あんなアパートでやってる店なんかより、うちみたいな店舗構えてる店の方がいいでしょ? ”
って、お客さんに言ってるみたいなの。」
アゲハさんのドス黒い一面を見た気がした。
背筋がゾワリと粟立ったは、今私が半裸でいるからだけではないだろう。
しかしこれは……
「逆効果ですよね? そんなこと言ったらお客様は
“あ、コイツ性格悪いな。”
って、アゲハさんに悪印象持ちますよ。」
「だよね? だからもう、放っといてくれって思ってる! 」
先程より眉間を緩めて、良子さんはリンゴ酸とプラセンタの入った美容液を私の顔に塗布した。
そして私はいよいよ核心触れた。
「良子さん、好美さんから聞いたんですけど、今日あった衝撃的な出来事って、なんですか? 」
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