それぞれが背負ったもの

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「忍耐強そうな田丸さんがそう簡単に反抗するかってとこなんですよね。」  最後に爆発したとはいえ、気の短い私でさえ一年半我慢したのだ。 「田丸さんなら、腹が立ったり嫌いになったりしても、表には出さないと思うんです。」  私の疑問に良子さんがすかさず答える。 「や、アイツ、昔から表に出してたよ。前の店で従業員どころかお客さんにまでそうしてて、問題になってたくらい。」  ソラリスでは見ることの出来なかった田丸さんの意外な一面に戸惑った。 「えっ?! そうなんですか? 」 「うん、後、男好きで有名だった。女の言うことは聞かないのに、男の言うことは聞くってことで問題になってたくらい。」  次々と明かされる田丸さんの一面に、私は頭が追い付いていかなかった。
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