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同業者を異常なまでに敵視する店長のことだ。
仲違いして別れたかつての経営仲間と、自分に嘘を吐き売上を独占しようとしたセラピストが手を組んだと知れば、只じゃおかないだろう。
現在、村岸さんがヤンさんの息のがかかっていない仕事をしていることから、この三名の間に何かがあったであろうことは、想像に難くない。
「なんか……もうやだー! 皆なんで仲良くできないのー?! 」
蓋を開けてみれば、ヘドロよりも醜い泥沼加減に、退職したと言う現状も忘れて私は叫んだ。
「店長だよ。あの人が上にいる限りそれは無理だって。」
遠くを見つめるような、独り言のような声色で、良子さんが冷静に応える。
私が嫌われるよう他のセラピストに吹聴し、陰で人間関係を悪化させていたのは店長だ。
しかし、そんな人間を最初に見抜けなかったのも私。
店長が私の悪評を吹き込んでも、信じて貰えなかったのも私。
意思を強く持てず、店長のやり方に染まりかけたのも私。
店長は確かに金の亡者だったが、私だって入社時はそう自負していた。
全て、私自身が招いたことだったのだ。
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