それぞれが背負ったもの

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 私はザックリと藍田さんとの出会いから別れまでを良子さんに話した。 「それで……お店を裏切りたくなかったのと、感謝の気持ちを営業トークにしたくなかったのとで、藍田さんには最後までニサンに行くことを教えなかったんです。」  私の話を遮らぬよう、静かに施術をこなしていた良子さんが、ここでやっと話し出した。 「ソフィアさん…………ちょっと、真面目過ぎやしませんか? 」  本気で私を心配した声色と、予想外の台詞に私は呆気にとられた。
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