それぞれが背負ったもの

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『子供のいる人妻に何してんですかね! 』  この台詞は、私の口蓋垂(こうがいすい)を揺らすことなく、飲み込まれた。 私も人のこと言えないな…… 私だって、家庭を持った藍田さんにあんな非常識なことをしたのだ。  これは、私に対しての戒めなのかもしれない。 客観的に見たら、如何に愚劣な行為をしようとしていたか、時を越えて教えられているのかもしれない。  良子さんの話にリアクションしつつ、私は藍田さんとの完全なる絶縁の決意を固めるのだった。
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