微熱の終わり

それぞれが背負ったもの

「うちは時給プラス歩合制です。時給が――――円で、歩合は施術代の五パーセントと低めですが、保険も充実していますし、ソラリスの時みたいなお客さんの取り合いにはなりません。」

これらの情報は求人広告にも載っていたし、面接でも聞いた。
口外しても問題ないだろう。

「そっかあ……ソフィアさんなら、真面目だから頼めるかと思ったんだけどなあ……」

　私の説明を興味深げに聞いた後、良子さんは残念そうな声色で呟いた。

　私がそれに対する疑問を口にする前に、良子さんが続けた。