それぞれが背負ったもの

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「でも……ソフィアさんは、今の職場にいた方がいいのかも知れない。」  自分で口にしたことで納得したのか、良子さんは軽く頷いてから繰り返した。 「うん、今の職場で、頑張った方が、いい……! うちは保険とかがないし、時給制で安定してて、人間関係もいいなら今の職場にいた方がいい。」 そうなのかも知れないが、また良子さんと働きたい自分もいた。 成長した姿を見てほしい自分も。 「月に……一、二度くらいなら出れるかもしれません。」 「そうだなあ……でも、それだと “ソフィアさんじゃなきゃヤダ” ってお客さんが来なくなっちゃうよっ。」 ああ、この人は、私を指名を取れる前提で評価してくれているのだ。 一緒に働いていた頃は、ロクに指名を取れていなかった私を……
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