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「い、いらっしゃいませっ! 」
メイクが崩れないよう慌てて涙を拭き、不自然なくらいの笑顔を無理矢理作り、私は接客モードへとシフトチェンジした。
泣き腫らした目に気付かれないかヒヤヒヤしたが、白髪が頭の半分を占めた男性は、全く気付く様子もなく
『足ツボできるっ? 』
と、元気に尋ねてきた。
足ツボか……
足ツボはまだ習っていない。
でも、後十分もすればできる人がやってくる。
私はそのことを説明し、了承頂いた上で会計し、男性を案内した。
足ツボの準備くらいなら私でもできる。
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