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通話を切り、待受画面を見ると、悟さんからめっちょの容態を気遣うメールが届いていた。
本音を言えば、もう少し落ち着いてから返したかった。
しかし巻き込んでしまった以上、最後まできちんと伝えるべきだと言う義務感に駆られ、私は返信用メールを作成した。
『めっちょは先程息を引き取りました。
本当にあっと言う間で、苦しみはしなかったことと、家で死ねたことが救いでした。
第三者である悟さんが一生懸命助けようとしてくださり、めっちょも幸せだったと思います。
折角お忙しい中時間を作って頂いていたのにすみません。
本当にありがとうございました。』
涙でぼやけた送信完了画面を確認すると、私は服の袖でゴシゴシと涙を拭い、閉じた携帯を軋むほど強く握りしめた。
涙を奥に閉じ込めるように目蓋を硬く閉じ、私は勢いよく立ち上がった。
父さん、頼んだよ……!
私は、大丈夫だ。一人で。
私は強いから……!
一人でも乗りきって見せるから……!
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