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深夜営業のニサンで働く私が母と顔を会わせたのは、めっちょの死の翌々日だった。
珍しく日付が変わる二時間前に帰宅した私は、洗い物をしている母に帰宅を告げると、少し冷めたの夕食に手をつけた。
テーブルには、玄米ご飯と、味噌汁と、メインが一品、副菜が三種類、そして――……
デザートに、リンゴがあった。
いつも、家族で食べる度にめっちょが欲しがっていたリンゴが。
綺麗な八等分に切り分けたリンゴとは別に、薄くスライスされたリンゴが、小皿に並べられていた。
それが誰の為に用意されたものかは、悲しいくらいにわかった。
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