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「葬式の時、めっちょ、幸せそうな顔してた……。
お母さんね、お別れする時に
“生まれ変わったら、絶対またお母さんのところに生まれてきてね。”
ってお願いしたの……。
また、きてくれるかなっ……? 」
「絶対来てくれるよ。だって、誰よりもオカンに懐いてたんだから……」
自分の中にある、精一杯優しい言葉をかき集めて母に送った。
母は、再びめっちょの遺骨に両手を伸ばし、目を閉じて俯いた。
「めっちょ……なんでっ、死んじゃったのっ……! 」
再び泣き出した母を、私は思わず抱き締めていた。
私の腕の中で母は子供のように咽び泣いた。
腕を回した母の背中が、こんなに頼りなく小さなものに感じたのは、初めてだった。
母を抱き締めたまま私も声を噛み殺して泣いた。
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