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これと言ったこだわりのない父のパソコンの壁紙は、ずっと初期のままだったが、いつの間にか、めっちょの生前の写真に設定されていた。
手を伸ばせば顔を挟み込めそうな程拡大された画像に、父の今の思いすべてが込められているようだった。
『水も餌も骨を埋めるまでは用意してあげよう。まだそこにいるかも知れないから。』
父の意向で、一週間程は毎日新鮮な水と餌がいつもの場所に用意されていた。
きっと水を入れる時も容器を綺麗に洗って、綺麗好きなめっちょが飲みやすいようにしてあげていたのだろう。
一週間が経ち、庭にめっちょの骨を埋めた時、父は
『めっちょ、天国にいっちゃったね……今まで家の中走り回ってたのに……』
と寂しそうにしていた。
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