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「‥…鷹君と友達になってあの子は前よりも笑うようになった」
「‥……」
「最初に君を紹介された時には驚いたよ‥…あの後に友達が出来るとは思ってなかったからね」
「シュンは何も悪くない。アレに対して言うならシュンは被害者だ」
酷い言葉を吐く無数の黒い影。
鷹は嫌なものを見たように、忌々しく吐き捨てた。その様子を見て辰起は軽く苦笑する。
「はいはい、そんなに眉間に皺寄せないの。それに鷹君は凄い事を隼汰に言わせたんだから」
「…‥‥すごい、こと…?」
「あの子はさっきなんて言った?」
「お前なんか好きじゃねぇよ…‥?」
「その次」
「お前なんか人形の次‥…、って事は!!」
辰起が満足そうに頷く。
隼汰にとっての一番好きなものはなにがなんでも人形だ。それが変わる事はないだろう。
つまり、その次…‥隼汰は遠回しに鷹の事は2番目に好きと言ったことになる。本人は自覚してはいないだろうが、無意識のうちに言ったのだ。
鷹は気持ちが安らいだ気がした。
せせら笑う黒い影が、消えて無くなっていく。
「俺、シュンの部屋行きますねっ!!」
「うん。行く時におやつ忘れないでね」
「わかりましたっ」
大丈夫だ。
二人で居れば、なんとかなる。
そう思いながら、鷹は隼汰の元へ向かった。
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