#2 お礼クッキーと影

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しかし、鷹のその考えが甘かったと言うことは直ぐに身をもって後悔させられた。   今だに嬉しそうに語る隼汰の横で鷹は深々とため息をついた。   「でな、ここの表情をだすのが―‥…」   隼汰が語り始めて早3時間程度。いつもなら3時間もあれば話すネタもなくなって段々我に還ってくる頃なのだが、今回はそんな素振りが全くと言っていいほどに無い。   隼汰が自作の人形を語るのには順番がある。 まずは女の子では無い人形から。そして次に一番手が込んでいて萌え要素たっぷりの女の子人形。最後はその人形たちがセッティングされているセット…‥という順番だ。 今隼汰が語っているのは『一体目』のタキシードを着た人形だ。類稀なる力作だと言うことは認めるが、男の人形で3時間も語られたのでは流石に飽きる。 そんな鷹の心中を知ってか知らずか、タキシードの人形を程々にし次の本命ウェディングドールに移った。   結局、隼汰が語り終わった時間は夜の11時頃。夕方の4時には隼汰の家に着いていたので、約7時間程度語っていた事になる。 その間、鷹は専門用語の訳が分からない話をずっと聞いていた。終わった時に鷹は自分自身を褒め称えた。
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