#2 お礼クッキーと影

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3時間目の終わりを告げるチャイムが鳴り、教師が教室を出る。そうすると教室内は必然的にお昼タイムに持ち込まれる。 机をくっつける者も居れば、床に座る者もいる。その体型は様々だ。   そんな中隼汰は一人机の上に弁当を広げていた。   「いただきます」   行儀良く両手を合わせた瞬間、隼汰の教室のドアが勢いよく開く。そしてそのまま隼汰の前へ。   「シュンっ一緒にメシ食おうって言ったじゃんか」 「言ったか?」 「言った!!」 「…‥‥とにかく黙れ」   そう言って隼汰は前の席の椅子をひく。鷹は黙ってその椅子に座った。そして黙々と食べていく。   沈黙。   まだ沈黙。   まだまだ沈黙。   まだまだまだ沈黙。   「っっあぁっもぅっ!!昼飯なのに楽しく無いッッ!!!!」   黙っていることに耐えかねた鷹がいきなり立ち上がって騒ぎだした。もちろんクラスに居た生徒は驚いて二人を見ている。   「黙って食べて楽しい?」 「‥……」 「ほら、昔言われただろ?ご飯は皆で楽しく食べるから良いんだよって」 「‥……」 「だから楽しく食べなきゃ栄養にならな‥ゴフッ」 「うるさい」   隼汰のストレートパンチが鷹の腹部にクリティカルヒットした。もちろん鷹は無言で悶えながら床を転がっている。   「シュ…シュンちゃん…ひ、ひでぇ」 「うるさいお前が悪い。それより…」 「な…‥なに?」   「お前、課題出したのか?」   まさか提出忘れたなんてこと無いよな? そう聞いてくる隼汰は明らかに黒オーラを纏っていて、すばらしい程の微笑みの仮面を被っていた。   昨日の夜、隼汰は不本意ながらも鷹にレポートを打ち込んでもらっていた。 その時に隼汰は鷹がレポートをやっていない事に気が付いた。鷹も言われて気付いたようで、隼汰は仕方なく鷹のレポートを作った。   それで終わったのが朝の5時。     自然に隼汰の右足が転がっている鷹の腹部へ移動する。答えによっては踏むということだろう。 それを分かってしまった鷹は何も言えなくなってしまった。なにせ彼はまだ課題を出していないのだから。   「…‥て、ない」 「ん?なに?」 「‥…出して、ない」 「ん?まさかその出してないって言うのは課題を出してないって言う意味かな?」
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