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「もぅ…ちょっと…」
もうちょっと、と言うわりには本にも触れていない女子生徒を見て隼汰は考え込んでしまった。
…どうしたものか。取ってやるべきか、止めるべきか。
頭一つ以上違う棚から本を出すのは至難の技だ。落ち着いて見てみれば、奥に台があるのが分かった。
教えてあげようと近寄った時に女子生徒から歓喜の声が上がる。
「とっ…取れたぁっ」
そう言った瞬間女子生徒の身体がぐらりとバランスを崩す。
「きゃ…」
「あ、危な…っ」
━━ 知らないうちに体が動いてた。気が付いたら僕は女の子を抱えていた。
痛い思いをしないように。
顔に傷が付かないように。
そう思った直後、派手な音をたてて隼汰と女子生徒が倒れた。
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