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それからしばらくは、ター様の様子を窺いつつの微妙な時間を過ごした。
そのままお昼に突入して、それが終わってようやく妙な緊張から開放された。
あー、夏休み初日から疲れた。
「そういえば、聡子さん。さっきのケンカに口出ししなかったですね」
癒し系寮母さんの聡子さんなら、たしなめたりしそうなのに。
「怪我とかしない限りは、黙っているわ。だって、それは、藤原先生のお仕事でしょ」
なるほど、確かに。
「それに、ケンカだってあなた達には必要なこと。邪魔するような無粋な真似はしたくないもの」
すごい、目から鱗。
癒しの聡子さんは、その辺の大人とは懐の深さが違う。
「でも、相談には乗るから、私で良かったらいつでも話してちょうだい」
「はい!」
さすがは聡子さん。
完璧すぎです。
「聡子さーん、独り占めしてずるーい。たーけーるん、どっか遊びに行きましょう」
のしっと、レオ先輩が抱きついてきた。
暑いです。
「嫌ですよ。俺は図書室に行くんですから」
「えー。夏休みなのに、そんなに学校に行きたいの?」
ほっといてください。
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