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足取り重く中に入ったら、出迎えてくれた管理人さんに広めの部屋に案内された。
「莉夢堂です、よろしくお願いしまーす」
藤原先生の挨拶で、いっせいに視線が集まる。
人数的に、ほとんどの学校が揃ってるっぽい。
「俺は先生方に挨拶してくるから、大人しくしてろよ」
釘を刺して藤原先生は出ていった。
部屋にいるのは中学生のみ。
さっきの武志先輩との会話を思い出して、ちょっとびびってみたりして。
なんか、みんな大人っぽく見えるし。
「はあ、変な感じ。ここにいる人って、全員が能力者なんだよな」
不思議な気分で呟いたら、全員の視線が飛んできた。
え?
変なこと言った?
「オイオイオイ。あんた、アホちゃうか。なんぼそういう集まりやゆうても、管理人のオッチャンや講師の人らは一般人やぞ。こん歳で、そんな大ボケかますなんて、どこのどいつやねん」
うわー、関西弁だ。
しかも、ぐいぐい来る。
「なんや、言い訳も出来ひんのか」
「あ、いや、その……」
勢いに負けて、言葉も出てこない。
しかも、『相棒』のアングル並みに顔が近い。
頭真っ白になってたら、武志先輩が間に入ってくれた。
「なんやねん。いちゃもんつける気ぃか? こっちは真っ当なことしか、しゃべってへんで」
「確かに、たけるんはうかつな発言だったわよ。それでも、いきなり見知らぬあんたに、そこまで言われるが覚えはないわよ。どこのどいつか、あんたこそ名乗りなさいよ!」
横からレオ先輩が身を乗り出した。
もしかして、2人は庇ってくれてるのかな。
ちょっと嬉しいかも。
でも、やっぱり、うかつな発言だったんだ。
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