22人が本棚に入れています
本棚に追加
「あの、ごめん! 俺が悪かったから。言い訳じゃないんだけど、他の……そういう人って珍しくて」
「まあーなんや、わかればいいんや。けど、珍しいからって、はしゃいで失言なんてガキか。あんたかてそうやろ」
「まあ、たぶん。でも、最近自覚したばっかりなんで」
「はあ? そんな奴おるんか。意味わからん。この歳まで自覚なしって、どないな力か言うてみぃ」
その途端、空気が凍った気がした。
「あんたねえ、人のこと全く言えないじゃない」
今度はレオ先輩がマジ怒りしてるんだけど。
「いきなり能力を聞く方がよっぽど非常識だよ」
「むぎっ」
ひょっこりと現れた、少しタレ目の男子が関西弁の口を塞いだ。
呆気にとられてる俺達を見回すと、にっこり笑う。
「すみません。こいつ、悪気があるわけじゃないんです。ただ、余計なお世話ばっかりで、自分を省みることが出来ないだけなんです」
あれ、すっごい爽やかに毒舌なんですけど。
「何すんねん、霧生!」
「それはこっちのセリフ。自分が何を言ったか理解してるよね」
対する相手が変わるなり、口調に合ったクールな表情に切り替わった。
「う……ごめん」
「違う。俺じゃなくて、迷惑かけた方に謝りな」
「悪かったです」
「あ、うん」
着いて早々、濃ゆいキャラに遭遇したなと思った。
最初のコメントを投稿しよう!