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「鈴城 健です。莉夢堂です。って、それは知ってるんですよね」
「うん。僕は去年参加してたから。そっちの君は？」
「宮下 貴文です」
それだけで、少しの笑顔で頭を下げた。
ター様いたんだよな。
ずいぶん大人しい。
というより、不機嫌？
まさか緊張してる……わけないか。
もしかして、さっきの俺のうかつ発言に怒ってるとか？
それならありえるかも。
貴文って、静かに怒るんだよな。
気を付けよう。
「さっきの子は田中 清子なんだけど、地方アイドルとしてセイラって芸名で活動してるんだ」
柴田先輩は、続けて仲間の紹介をしてくれた。
「さっきみたいに絡まれたくなかったら、セイラちゃんって呼んであげて」
すごい、この人。
さらっと嫌味なく言ってのけた。
「で、向こうでなだめてるのが柴田 久実。１年で、僕の妹」
おお、兄妹。
「あと、奥で瞑想してるのが、御神楽 延樹。２年だよ」
「去年はいなかったな」
武志先輩が知らないってことは、転校生とか？
「うん、去年はサボってた。その去年が思ったより大変だったから、今年は僕が誘って参加してもらったんだ」
「ああ、彼が」
「そう。僕達、４人とも幼なじみなんだ」
の割りには、みんな雰囲気がバラバラだな。
セイラって人はああだし、柴田兄妹は柔らかい感じだけど、奥にいる御神楽って人はなんていうか……恐い。
不良とまではいかないけど、みんなに合わせてワイワイするようには見えないな。
「ちょっと、お兄ちゃんー」
「いま行く。じゃあ、後でね」
手を上げて、笑顔で合流しに行った。
大変そうだな。
他人事とは思えない辺りの苦労がなんとも……。
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