第三話

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気が沈む一方の俺は、食も進まなくて箸の先でキクラゲをつんつんつついてみた。 いつもは美味い中華丼も、今日はあまり味がしない。 そんな時、真司が思い出したように口を開く。 「そうだ。今日夜ご飯ウチで食べない?焼肉用の肉を姉さんが大量に貰って帰って来たんだけどさ、 母親は今夜出掛ける予定あるからお前ら誘って食べろって。」 「行く!!」 一番に元気良く返事をしたのは、焼肉定食好きの広田だ。 続いて圭介、鷹雄も行くと返事をし、皆の視線が自然と俺へ向けられる。 ……あ。 これは、断れないパターン。 「うん、行く。」 こうやって、三回に一回ぐらいは、放課後もこいつらと過ごす時間が作られてしまう。 真司達が嫌な訳じゃない。 むしろ、本当は全部参加したい。 こいつらといると、本当楽しいし、飽きないし。 でも。 そこに広田が加わると、楽しむ余裕がなくなるんだ。 皆のせいじゃない。 勿論、広田のせいでもない。 自分の感情が、こいつらとの大事な時間に水を差してしまっている。 楽しく過ごしているこの時間を、俺が邪魔をしているんだと。 そんな事を考え始めたら…なんかもう、皆に申し訳なくて。 泣きそうになるんだ。
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