第三話

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「そういやさぁ。恭平、お前の計画進行してんの?」 不意にふられた言葉に、一瞬体が固まる。 まさか、こんな勢揃いしてるタイミングで、この話を出されるとは。 ちょっと予想してなかった。 バカ圭介。 案の定、不思議な顔をした他の三人の目が、同時に俺に注がれた。 興味津々にキラリと光る目が六つ。 こんなの絶対、誤魔化せる訳ねーじゃん! 「計画?何の?」 「恭平君の壮大な計画を、皆さんにも発表してごらんなさい。」 意地悪そうに笑みを浮かべる圭介が、今は悪魔に見える。 お祓いで浄化してやろうか、この野郎。 「何なの、計画って。」 広田だけは、他の二人と雰囲気が違っていた。 きっと、多分。 自分が何も聞いていない事に、不満を感じたんだ。 いつだって広田は俺の一番側にいたし、何でも一番に話して来た。 広田の方もそうだったし、俺達はそれが当然だったから。 だから、自分が何も知らない事に、苛立ちを覚えている。 やばいな。 こうなった広田は、厄介だ。 「…あー…えと、お前ら笑うなよ?」 とりあえず、焦らずに普通の態度で話す。 動揺なんてすれば、色んな事に対して鋭いこの三人が、ここぞとばかりに攻撃してくるのが分かるから怖い。 「あのな、俺はいま友達の輪を広げよう計画を立てている。」 「………は?」 瞬時に呆れ顔になったのは、鷹雄だ。 どうやら一気に興味が失せたようで、前のめりになっていた体を後ろの背もたれへ傾ける。 よし、一人クリアー。 残る二人は、かなりの強敵だぞ。
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