第三話

11/13
4619人が本棚に入れています
本棚に追加
/440ページ
お前が俺を大事に思う感情と 俺がお前に向けてる感情は、全く違う。 どこまで行っても交わらないこの気持ちに、お前が気付く事はない。 俺が 真実を話さない限り。 「………変に勘ぐんなよ、広田。原因は全部さっき話した事だからさ、心配すんな。」 こんな言葉で納得するわけがない。 でも 言えないんだ。 ごめん。 ごめん、広田。 「何かあった時、俺がお前に言わなかった事、今まであったか?」 「………ない……。」 「だろ?大丈夫だから、心配すんなって。な?」 泣き出してしまいそうな感情を押し殺し、俺は必死で広田の頭をポンと撫でた。 勿論、普通に、違和感がないように。 「………あぁ。」 薄っすらと微笑む広田は少し切なげに見えて。 自分がこんな顔をさせてしまったんだと思うと、後悔と罪悪感が一気に押し寄せて来る。 傷付けたくない。 こんな顔、させたくないのにーーーーーーーー。
/440ページ

最初のコメントを投稿しよう!