4615人が本棚に入れています
本棚に追加
/440ページ
今まで何度となく投げ掛けて来た疑問を、それでも何度となく問わずにはいられない。
なんで、広田なんだろう?
どうして。
なんで、広田じゃなきゃ、駄目なんだーーーーー。
広田と別れ、すぐ後にトイレへ駆け込んだ俺は、ドアの鍵を閉め両手で自分の口を塞いだ。
苦しくて、情けなくて、切なくて。
もう、訳が分からなくて、叫び出してしまいそうだった。
溢れて来る涙を、声を漏らさずに我慢する。
泣く資格なんか、俺にはない。
酷いことをしているのは、俺の方なのに。
なんで。
なんで諦められないんだよ。
なんでこんなにも、好きなんだ。
ごめん、広田。
裏切ってて、ごめんーーーーーーーー!
「っ…………っ………。」
広田の、あの寂しそうな笑顔が。
ずっと頭の中に残っていた。
最初のコメントを投稿しよう!