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広田と話したあの日から、俺の中でまた変化が起きた。
しかもこれは、あまり良い変化じゃない。
感情がとにかく不安定で、急に倦怠感に駆られたり、かと思えばむしゃくしゃしたり、
ころころと変わる自分の感情に、俺自身ついていけなくて上手く対処が出来ない。
特に、広田の前ではそれが酷くて。
広田の姿を見るだけで、罪悪感がドッと押し寄せて来て、どこかへ逃げ出したい衝動に駆られた。
顔を見るのが、辛い。
話すのが、しんどい。
こんな態度じゃ、もっと疑われてしまうのに。
広田に本気で追求されてしまえば、それこそもう逃げ出す事は出来ないだろう。
そうなるともう。
話すしか、なくなる。
自分の気持ちを、広田に。
それが怖くて、恐ろしくて。
だけど、同時に解放されたいとも思う。
もう心が壊れそうだった。
広田の事を考えない時間なんてなくて、ずっと神経が張り詰めている状態だ。
そして、そんな時に。
新しい展開ってのは、やって来るもんなんだ。
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