龍成の戸惑い

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「…やっぱ何度見ても綺麗だな…」 目的地に到着し、車を停めエンジンを切ると、小さく華乃は呟いた。 「……そうだな」 「この間はちゃんと見れなかったから尚更綺麗」 「ちゃんと見てただろ」 「気持ち的にね、夜景を見る余裕があまりなかったから」 夜景に夢中になる華乃の横顔を盗み見る。 それは本当に小学生のように幼く純粋で、もしも許されるのならば、いつまでも見ていたくなるような、そんな横顔だった。 「ね、龍成はデートでここに来たことないの?」 急に振り向かれドキッとする。 なんでそんな笑顔なんだよ。 「──ねぇな」 「いっぱい遊んでたんでしょ?夜景見に行こう!とかならなかったの?」 「違うとこになら行った。でも夜はほぼ室内だったから」 「……チャラ男。きもい」 笑顔が一変、仏頂面で俺を睨む華乃。 「なんでだよ。変な想像して、お前の方が変態じゃねぇか」 「なっ!違う!!」 「華乃ちゃん、あいつと別れて寂しいなら、優しい旦那様が相手してやってもいいよ?」
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