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……結構衝撃的だった。
なまじわたしが平凡すぎる家庭で育ってきたから、そして女というのもあってか、跡取りがどうの耳にしたことがなかった。
お父さんとお母さんは見ていて鬱陶しくなるくらい仲が良かったし、わたしの知る限り不倫や愛人なんて縁がなかった。
お金持ちはお金持ちで大変なんだな。やっぱり龍成のお母さんすごいよ。
わたしなら自分に子供が出来ないからって、夫の愛人に頼むなんてことできない。愛があっての結婚なら尚更……。
最終的には思惑通りになったかもしれないけれど、それまでは生き地獄じゃないの?
例えば、例えばの話、わたしが龍成と離婚しなくて子供が出来なかったら、わたしはどうするだろう。
その前に愛人の存在でノイローゼになるかも。崇憲の時ですら、半狂乱になりそうな時期があった。
お金の為って割り切ったとしても、愛がなかったとしても、平気でなんていられない。
そしてそれを普通に話すあいつ。
……なんでいきなりわたしにその話をしたんだろう。
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