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「嫌なことあったんだろ?
だから、あんなに泣いてたんだろ?
だったら、お返しに殴ってやれ」
なんでそんなに分かるの。
私、あなたに何も言ってないのに。
「…ありがと」
「行くぞ」
お礼の言葉は無視されたけど、それはきっと梶野くんの照れだと思いたいな。
当たり前だけど、もう凌は家に帰っていて、私の部屋は真っ暗だった。
『鍵ポストに入れといたから』
玄関にそんな張り紙があって、相変わらず几帳面な凌だ。
その鍵で開けて、部屋に上がる。
こんな時間に部屋に居るのなんて、久しぶり。
いつも、夕飯も凌の家でご馳走になってたから。
「…あ」
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