二章

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翌朝、凌が家を出た頃を見計らってから、鞄を取りに行った。 「あら、美菜ちゃん。昨晩は夕飯良かったの? 美菜ちゃんの好きなクリームコロッケだったのに」 おばさんが残念そうに言う。 なんてバッドタイミング。それもこれも全部、凌のせい。 「ごめんなさい。ちょっと色々あって...」 さすがに、凌に襲われたなんて言えない。 「そう?そう言えば、凌も様子が変だったわね。二人、喧嘩でもしたの?」 ギクリ、と体が強ばる。 「ま、まぁ...。あ、あの、遅刻するからっ」 「今日はスパゲティにするから、早く仲直りして食べに来てね」 何も知らないおばさんに罪悪感は募るけど、曖昧に笑って私は学校に向かった。 「はぁ」 「でっかいため息」 席についた途端に横から声がして、固まった。 「何?警戒してる?」 その言葉に反応するように、最大限離れる。 ほんとになんというか。 出席番号順に座っているうちのクラス。 坂井凌 高木美菜 何の因縁か、凌の隣になってしまったのだ。 最初は大喜びだったのにね...。今は......。 ぷい、と背を向けると。
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