二章

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クンクンと鼻を鳴らし、顔をしかめる。 「うそ!? 零れてた? ごめん、気付かなかった」 「ほら、嗅いでみ」 ずい、と差し出されて、嗅いでみたらホントにグレープの匂いしかしなかった。 「うわ、くっさ」 「おまえがつけたんだよ!!」 あはは、と笑ったら、頭を小突かれた。 「笑ってごまかすな」 あれま。どうやら考えてることは見抜かれたらしい。 二人で笑った後、私は疑問に思ったことを聞いてみた。 「何でここにいるの?」 「おま…相変わらずひでぇヤツ。 ぶらぶらしてたらたまたま高木の姿が見えたから。 …元気そうで良かったよ」 心配してくれたんだ…。 「美菜ーーー! アレ、なんか変なのいる」 仮にもクラスメートに向かって変なのは失礼では?
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