一章

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「いたっ」 「何勝手に人の部屋に上がりこんでんだよ」 「何よ、いいじゃない」 優雅に漫画を読んでいた私はむくれて、立ち上がる。 立つと、私より目線が高い凌が無言で威圧する。 「だっておばさんは」 「また母さんかよ」 はぁっとため息をつく。 「たまには自分の部屋に行けば?」 「だって、誰もいないし」 その言葉に、凌は毎回押し黙る。 「…分かったよ」 そして、結局許してくれるんだから。 「俺が美菜の部屋に行く」 「…はい!?」 どうやら今日は違うようでした。
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