0人が本棚に入れています
本棚に追加
戻ろうとすると、手をぐいっと引っ張られて、ベッドに倒れ込む。
「凌?」
ベッドに座った凌は、掴んだ手を離してくれない。
「すること?…作ればいいじゃん?」
妖しく笑った凌が、私の顎を指で捕える。
「ちょ、凌?何してるの…?」
急に雰囲気が変わったのを感じる。
いつもの凌じゃない。
「黙って」
そのままゆっくりと、整った顔が近づいてくる。
「し…っ!!!」
しの、と言いかけた言葉は呑み込まれてしまった。
最初は抗っていた手も、段々と力が抜けて、凌の思うままに私はただ受けていた。
なんで?
頭の中ではずっとそう思っているのに、体は凌に逆らえない。
「んっ」
肩を押されて、布団に倒れた時、やっと体が反応した。
「なん、で!!」
正確には、凌を叩き倒したのだけど。
「なんで?凌、おかしいよ…」
いつの間にか涙が溢れていた。
「美菜、」
「やめて!」
手を伸ばした凌に背を向けて、一目散に逃げ出す。
最初のコメントを投稿しよう!