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そして、ふふっと笑う。
「ブサイク」
「な!! ひどいよそれ!
今傷ついたからね!! ガラスのハートが!」
「そんなハートどこにあんだよ。高木の場合、毛でも生えてそうな図太い心臓してるくせに」
「梶野くんに言われたくないし!」
しばらく2人で言い合って、また吹き出す。
「ここは星も見えねぇな」
夜空を見上げ、梶野くんが呟いた。
「真っ暗だし、誰もいないし。
…だから、泣けば?」
え、と言った言葉は声にならなかったかもしれない。
せっかくおさまった涙は、またぶり返してきて、私はみっともなく鼻を啜りながらしゃくりあげた。
「たまには吐き出してもいいんじゃね?」
決して優しいわけじゃない、そのぶっきらぼうな口調が、イマはとてもありがたかった。
「帰るぞ」
しばらく泣き止むのを待ってくれてから、世間話なんかして、時間を潰していた。
時計をちらりと見て、顔をしかめ立ち上がる梶野くん。
「帰りたくないな…」
帰ったら、明日の朝には嫌でも凌の顔を見なきゃいけない。
だって、隣にいるから。
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