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一瞬頭が真っ白になった
オンナトシテミレナイ…?
なんで?なんでよ啓毅
私に女の子らしさが無いから?
今までずっと一緒にいたから?
どうして?
私は啓毅を問い詰めたい気持ちを抑え平然とこう言った
「だっ…だよね
啓毅が私なんか好きになるはずないもんね…
なんかごめんね…」
それだけ言うと私はドアを閉めた
「あれ?那奈ちゃんもう帰るの??」
啓毅のお母さんが聞いてくる
「…はい
大した用事じゃ無かったので
おじゃましました」
泣きたい気持ちを抑えながら
自分の家に帰り
自分の部屋のドアを開けた…
ベッドに倒れ込むと
これでもかと泣いた
もう涙なんかいらない
今日限りで全部出てしまえばいい
そう思うほど泣いた
それから啓毅達が引っ越すまでの数日間
一度も啓毅とは会わなかった
最後の日になって
お母さんに無理やり連れて行かれたお見送りでも
一言も喋らなかった
お母さん同士
お父さん同士が別れを惜しんでいる間
私と啓毅の間には距離があった
…きっと心にも
別れ際に
啓毅が一言言った
「さよなら」
さよならの次にまたね
は無かった
また会えるのを
かすかに期待していた自分がバカらしくなってきた
上手くいく恋なんて
そうあるわけじゃない
また恋をすれば良い
そんな事私には無理だった…
せめて女の子らしくなろう
そう心に決めた
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