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「そうですかィ。取り敢えず土方さんがどうしようもねェバカだと言う事は分かりやした」
「オイ。マヨなめんじゃねェぞテメー」
「言われなくても舐めやせんよ。じゃなくてですねィ…本当に臭いませんかィ?」
土方に呆れてはいたものの、真剣な表情で辺りを見渡す沖田。
その表情に、いつものおふざけではないただならぬモノを感じ取った土方も、臭いに集中する。
その時…
夜風と共に、そっとある臭いが鼻を掠めた。
「土方さん…この臭い……」
「あぁ…間違いねェ………
血の臭いだ……」
そう。
ほんの微かだが、風に乗ってきたこの臭い…
独特のこの生臭いような臭いは、真撰組として働いてきた土方たちが幾度となく嗅いだ事のある臭い…
血の臭いそのものだった。
「チッ…!!行くぞ総悟!!」
「はい!!」
そう言うと、土方と沖田は臭いの原因があるであろう風上へと走っていく。
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