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ある晴れた日。
空は清々しいほど青く、降り注ぐ太陽の光は程よく心地良い。
町には人々が行き交い、子供たちのはしゃぎ声、女たちの楽しそうな話声、男たちの活気にあふれた声などが聞こえてくる。
いつもと同じ…
いつもと変わらぬ歌舞伎町の町並み。
そんな歌舞伎町の一角に、いつもとは異なった雰囲気の場所があった。
黒い隊服の男たちが集まり、路地裏へと続く道には一般人が入れぬ用テープが張られている。
道行く人の中には、何事かと足を止める者もいれば、横目にチラリと見るだけで通りすぎて行く人もいる。
そんな中、また一人黒服の男が現れた。
着ている服と同じ黒い髪。
切れ長の目の奥の瞳は、若干瞳孔が開いている。
そしてポケットからは、何やら見覚えのある赤いキャップが…
「おい、被害者はどこだ」
黒髪の男が近くにいた黒服に訊ねる。
「副長!!お待ちしていました。こちらです」
黒服の男が言うと、テープを潜り路地裏へと向かう。
副長と呼ばれた男もそれに続き、何事もなかっかの用にテープを潜り路地裏へと消えた。
「やーっと来やしたかィ、のろま土方コノヤロー」
案内され着いた場所には、すでに数人の黒服たちがいた。
その中の一人…
栗色の髪をした、まだ少年と思わしき男が開口一番に相手をのろま呼ばわりする。
「あまりに遅せーんで、その辺でくたばっちまったかと思いやしたぜィ。ってかくたばれ土方」
かわいらしい顔立ちからは想像出来ぬほど毒を吐きまくる栗色の男の名は沖田総悟。
武装警察真撰組の一番隊隊長であり、剣の腕は真撰組随一である。
そして、先ほどの彼の言葉でわかったとは思うが、真撰組随一の腹黒、ドSでもある。
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