私と君と、俺

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 ……結論から言うなら。俺は間違っちゃいなかった。いや、間違ってたのか?  兎に角。うちの部署は、尻を叩いてやりゃ叩いてやる程によく走った。  どいつもこいつも甘ったれてやがった訳だ、尻拭いしてやってたのが馬鹿馬鹿しくなる。 「なぁ?」 「はい?」  喫煙所で、俺と並んで煙草を燻らせてるこいつには、何だかんだで一生頭が上がらないだろう。  俺は不思議そうにする彼女に何も応えず、やたらと不味いドリンクを一気に飲み干した。  本当に不味い、売れてる意味が分からない。だけど飲み続けてる理由がある。 「あー!全部飲んじゃった……らびゅんには半分ずつ飲むとずっと一緒に居られる都市伝説がっ!?」 「はいはい、んじゃ次からそうするよ」  俺が変われた事やら、俺がやらかしてた失敗やら、俺がどうしようもない仕事人間だった事やら、そういうのを戒める為。  とか言えりゃ良いんだろうが、生憎俺はそんな出来た人間じゃない。  こいつと引き合わせてくれた縁。それが途切れないようになんとなく、今日も自動販売機で辺りを伺いながら、可愛らしくて不ッ味いドリンクを買ってる訳だ。 「これ、なくなんねぇのかな」  しかしながら余りの不味さにボソリと呟くと。 「あ、その味。不味さフェチに大人気らしいですよ?」  流石に、味くらいは変えても良いよな?と想いながら、俺は瓶をゴミ箱へ突っ込んだ。 (了)
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