貴女様の望むものを創ります

　バーの扉を開けて一人のお客様がいらっしゃいました。

　お客様がカウンターに腰掛ける頃を見計らってウエルカムドリンクを差し上げます。

「いらっしゃいませ。 ウエルカムドリンクでございます」

　お客様は大抵すぐにはグラスに口をお付けにならないものですから少し濃いめに作ってございます。

　やはりグラスをしばらく眺めていらっしゃいました。3分程経ってちょうど飲み頃になった時に、お客様がウエルカムドリンクに口をつけられました。

　わたくしは、密かに満足しながらもお客様の様子を観測します。

「美味しい」　

　お客様が小さく呟きを漏らしてございます。