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よく眠れずに朝を迎えた。
未来も旦那もまだ起きない。
布団の中で基礎体温計を口に加えながら、カーテンの隙間から漏れる朝陽に目を細める。
ピピピ、ピピピ、ピピピ
体温をはかり終えた合図で数字を確認する。
35度3分。
忘れないうちにグラフへ書き込んだ。
今日は排卵日の可能性が高い。
布団から出てキッチンでお湯を沸かしながら考えた。
妊娠したい。
どうしても。
どうか、妊娠しますように。
今日が排卵日でありますように。
しばらくして旦那が起きてきた。
「おはよう」
「おはよう…
今夜、早い?」
「多分。なぜ?」
「排卵日だから…
お願い」
「あぁ、わかった。なるべく早く帰るから」
「ありがとう」
朝の情報番組が暗いニュースを伝えているが、悲壮感はまったく無い。
焼きたてのパンの香りが部屋に広がる。
どこにでもある朝の一場面。
幸せそうな家庭。
寝室から未来のご機嫌なお喋りが聞こえてきた。
旦那に抱かれながら寝室から出てくる。
同じ顔で私を見て笑っている。
朝陽に当たる髪の色も同じだ。
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