第1章

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「俺、入れるからいいよ」 「ありがとう。助かる」 短い会話の後。 寝室で着替える旦那の様子を伺った。 いつものように、スーツを脱ぎ、ハンガーに掛ける。 財布と携帯をサイドボードの上に無造作に置く。 「何?」 私の視線に気付いたのか。 「ううん、何でもない。少し痩せた?」 「あーそうかも。後で測ってみるかな」 「忙しいの?」 「そうでもない」 「なら…いいけど」 スエットに着替えた旦那が目を輝かせて未来を呼ぶ。 「未来?いい子にしてた? ただいま」 未来を抱き上げて頬っぺたを摘む。 喜ぶ未来。 笑い声を上げて催促している。 「お風呂入るぞー」 未来を私に預けて浴室に向かった。 しばらくして声が掛かる。 「連れてきてー」 「はーい」 未来を裸にして浴室へ連れていった。 「お願ーい」 「はいよ」 浴室のドアを閉めて深呼吸をした。 今夜の儀式。 寝室へ向かった。
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