第1章

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「イクよ…」 (いいから、 早く…) 旦那の体の重みを感じながら、天井を見つめた。 感じるフリをするのも慣れたものだった。 来て? と一言漏らせば、 我慢できない程高まっていると、 思わせる事ができた。 適当な所でそう漏らせば、事は早く済む。 元々私は淡白だ。 イイとかイクとか。 正直よくわからない。 無ければ無いで構わないと思っているから、妊娠するための行為以外、考えられない。 そんな考えを旦那は知らないし、伝える気もない。 やっと旦那が私から離れた。 すぐにでもシャワーへ向かいたかったが、せっかくの精子を無事子宮まで届けるため、しばらく横になっていた。 何かの本に書いてあった。 『腰を高くしてしばらく動かない』 本当かどうかは疑わしいが、 念には 念だ。
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