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「イクよ…」
(いいから、
早く…)
旦那の体の重みを感じながら、天井を見つめた。
感じるフリをするのも慣れたものだった。
来て?
と一言漏らせば、
我慢できない程高まっていると、
思わせる事ができた。
適当な所でそう漏らせば、事は早く済む。
元々私は淡白だ。
イイとかイクとか。
正直よくわからない。
無ければ無いで構わないと思っているから、妊娠するための行為以外、考えられない。
そんな考えを旦那は知らないし、伝える気もない。
やっと旦那が私から離れた。
すぐにでもシャワーへ向かいたかったが、せっかくの精子を無事子宮まで届けるため、しばらく横になっていた。
何かの本に書いてあった。
『腰を高くしてしばらく動かない』
本当かどうかは疑わしいが、
念には
念だ。
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