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既に何人かのメンバーが集まっていた。
怪訝そうに私を見る。
居心地が悪い。
先程の男性はこの会のリーダーらしく、
私をみんなに紹介してくれる。
紹介といっても、簡単なものだ。
ここではプライベートな情報は一切公表しない。
名前も年齢も職業も何もかもが伏せられている。
だから私の紹介といっても何もない。
ここに来る目的は一つしかないのだから。
【断酒会】
依存症の患者によるミーティング。
ただ、自分の思いを語るだけの会。
ここで聞いた話は決して外で話してはならない。
だから、安心して患者達は思い思いの気持ちを吐き出す。
みな、アルコール依存症の患者だ。
せっかく禁酒しても、一滴でも口にしたら、また0からのスタートになる。
毎日が誘惑との闘い。
そんな仲間と気持ちを共有する事で、お酒の誘惑から逃れられる。
こんな会が、全国至る所に存在していた。
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