Nameless song

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進学だけではなく、僕たちの運命そのものも、予め決められていた。 ────そう。 この世に生を受けた瞬間から。 うんざりするほど狭く苦しい世界の中で、僕にとってアンが全てであり、唯一の心の拠り所。 彼女にとっての僕も、そういう存在だと確信している。 「アン……おいで」 すっかり服を着込んだアンに向かって両腕を広げれば、ためらいなく飛び込んでくる。
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