Nameless song

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来月、日本へ渡るタイミングで、僕たちは逃亡する。 誰のためでもない、自分という存在を手に入れるために。 愛する人と共に、自由に生きるために。 決意も新たに、柔らかな温もりを抱きしめ直すと、アンはあやすように僕の背中を撫でながら、再び歌を紡ぎ始めた。 首筋を通り抜ける吐息に愛おしさが込み上げ、それに伴って、深く繋がりたい欲求が再び呼び起こされてしまう。
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