1.水薙学園

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「ほほう。  あの人の誘いを断るとは、なかなかの勇気の持ち主でやがりますね篠宮君」  息を吐くと、アリスが声をかけてきた。 「どうして?  てか、アリスと約束してたんじゃないか」 「気になるなら説明してあげなくもないです。  それよりお昼はどうするですか?」 「出来れば食堂にしてくれると助かるんだが……」 「いいですよ。  私も今日は〃マリン〃の気分だったので」 「マリン?」 「食堂ーーというより、学園に併設されているファミレスの店名ですね。  制服が可愛いのですよ。バイトしてる人もいます」 「へぇ……」  よし! 目の保養ができる!  授業で疲弊している身体も回復するだろう! 「……顔が邪なことを考えてやがりますよ。  キモいです」 「か、考えてないわ!」  平静を装っていたつもりなのに!  いや、ただのかまかけとも考えられる。罠に嵌めようとしてるな、こいつ。  引っかからんぜ。その釣り針にはな。  あ、そういや俺の隣の席のぼっちは……  いない、か。  今後のことを考えるならば、この人とも会話出来るようにしておきたいな。
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