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「ほほう。
あの人の誘いを断るとは、なかなかの勇気の持ち主でやがりますね篠宮君」
息を吐くと、アリスが声をかけてきた。
「どうして?
てか、アリスと約束してたんじゃないか」
「気になるなら説明してあげなくもないです。
それよりお昼はどうするですか?」
「出来れば食堂にしてくれると助かるんだが……」
「いいですよ。
私も今日は〃マリン〃の気分だったので」
「マリン?」
「食堂ーーというより、学園に併設されているファミレスの店名ですね。
制服が可愛いのですよ。バイトしてる人もいます」
「へぇ……」
よし! 目の保養ができる!
授業で疲弊している身体も回復するだろう!
「……顔が邪なことを考えてやがりますよ。
キモいです」
「か、考えてないわ!」
平静を装っていたつもりなのに!
いや、ただのかまかけとも考えられる。罠に嵌めようとしてるな、こいつ。
引っかからんぜ。その釣り針にはな。
あ、そういや俺の隣の席のぼっちは……
いない、か。
今後のことを考えるならば、この人とも会話出来るようにしておきたいな。
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