プロローグ

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「〃マギカクローバー〃。  君も知っているだろう?  3年前に起こった、電脳世界で起きた未曾有の事件のゲームタイトルだ。  数百万人というプレイヤーがゲームの世界に閉じ込められ、ゲームオーバーになると現実でも死んでしまう事件だ。  現に死亡者は10万人を超え、歴史的にも最悪な部類に入る。  企画はクローバー社。開発などには数千の企業が携わっている巨大プロジェクトだった。  それら全ての企業を徹底的に調べたが、犯人は未だ見つかっていない。  現在はコンピュータのバグであるとすら、囁かれているみたいだね」 「あの、ちょっといいですか?」  俺は目の前で人語を操る白い猫に対して、恐る恐る手を挙げた。 「なんだい、篠宮光莉?」  しかも俺の名前まで知ってる。  怖いよ、怖い。妖怪の類か? 「あなたは何ですか?」 「すまない、自己紹介がまだだったね。  私のことは〃クロ〃と呼んでくれたまえ。  君達人間の表現を借りると、神様みたいなものかな」  ……何言ってるんだこいつは。  ああ、そうか。これは夢なんだな。  とうとう俺も明晰夢が見れるようになったのか。
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