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第4話メシアの扉
先日、異世界ライド大帝国がダークナイツムーンの中心国ダークナイツ王国を攻撃したこと、そして悪魔研究を行っているだろうということをダークナイツの国王は世界際連盟に告発した。だが、世連はライド大帝国ではなくテロ組織による行為だと判断した。ライド大帝国は多くの世界を所有し多くの国を植民地としている。今もその大帝国はテロ組織の壊滅作業に取り組んでいたのは事実である。しかも皇帝ライドも今回の事件については初耳であるといい、積極的に情報提供を求めていて、被害地の復興支援もするということであった。そしてその皇帝はテロ組織が悪魔召喚の研究をしている恐れがある主張し、世連に更なる悪魔召喚に関する厳格な規制を再度確認することを訴えたのだった。
ダークナイツの国王グリフ・ウィズ・ドラコはこのような結果になることは理解していた。ライド大帝国は世連の中心である八大世界に入っているからだ。だが、シュティン帝国もその中に入っておりもしかしたら何か対策が取れると思っていたから世連に告発をした。グリフはシュティン帝国の帝王レーヴからダークナイツムーンにある植民地に独立王政国家をつくりあげており、レーヴの姉レーンを妃にしているということも関係しているのであろう。
テロ事件から数日後、シュティン帝国の帝王レーヴがダークナイツ王国の王宮クリスタルパレスに訪問してきた。本日行われるダークナイツムーン世界の会議に特別に出席をするという。レーヴとグリフは憩いの広場の石柱の部屋でお茶をしている。
「グリフ、すまないな。軍の総本部に流れたという敵の話の録音が一番の証拠になると思ったが、テロがライドの仕業と思わせる小細工だったと連盟で判断したようだ。だが、なぜテロがこの国を狙うんだろうな、しかも空軍少将の女性の暗殺を謀ってる。今後も気をつけてくれよ、シュティンの恥にもなりかねない。」
「あなたもテロだと思うのか?あれはライドだ。」
「証拠がなくては手伝えないんだぞ。目的はわかるのか?」
レーヴの質問にグリフは不機嫌に答える
「私はライドと同じ理想郷を探している。」
これを聞いてレーヴはまだそんなことをと言うように呆れている。
「メシアか…。何度も言っているだろ、その世界に行く方法がない。世界の鍵も見つかっていないしな。」
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