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朝起きて、なんだかすっきりした私に、
朝ご飯を出しながらお母さんは言った。
「なんか吹っ切れた?最近落ち込んでたから、ちょっと安心した。」
「ばれてたんだ。うん、色々あったけど俊とお別れしてきた。」
やっぱりお母さんはすごい。昨日の夕方だってそうだ。
私がどこに行くかも知らないのに、頑張ってね!なんて。
「そうなの、寂しいけどしょうがないね。お互いの事なんて、本人達にしか分からないんだからね。」
ほらまた、心のちょっとした棘も傷つけず抜いてくれる。
触れられていないように、治してくれる。
「うん、そうだね」
私は胸がいっぱいになって、
いつもなら食べ切れる朝ご飯を
ちょびっと残して学校に向かった。
通学路も、道行く人も
昨日と同じ風景なのに、なんたか違う色に感じられた。
散り出した桜を踏んで歩く。
なんだか誰かの想いまで踏みにじっているようで、少しだけ涙が出た。
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