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「なっ………お前っ、何やって………!!
いってぇー!!」
ん?
…………ちゅ?
お姉さんは、突然のことに一時停止になった私と、慌てて起き上がった先生を交互に見てニヤリ。
「これからは死んでも死にきれないわね、恭一?」
私の頬を撫で回しながらそう言った。
「………ウルサイ」
ふたりの会話の意味を取りあぐねいて首を傾げてお姉さんを見つめる。
「そっかぁ………恭一がねぇ………」
「もーいーから離せ!そして帰れ!!」
「まーっ!ずいぶんな言い草。
ホント可愛くない」
「はなっから俺に可愛さ求めてないだろ!」
背の高いお姉さんが、私の肩に肘を乗せて綺麗に微笑みながら私の顔を覗き込む。
「やぁーねぇー。
二人っきりになって何する気かしら、この変態オッサン」
「………え?」
「もーホント!!
頼むから消えてくれ!!」
半ば発狂気味に吠える先生が意外すぎて、なんだか本当に可愛い。
「………先生も取り乱すこと、あるんだ………」
心で呟いたつもりが、声に出ていて先生とお姉さんが私に視線を向ける。
「さあ、どうかな?
『カオルちゃん』だからじゃない?」
「樹っ!!」
「あー、もーホントうるさいなぁ。
そんだけ元気なら大丈夫ね。
吐き気は?治まった?」
「あんたのせいで忘れマシタっ!!」
「ハイハイ。
じゃあもう麻酔の影響もないはずだから、郁ちゃんと話したらとっとと寝なさい!
んで明日お母さんに電話入れること!」
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